四十九日や一周忌、お通夜や葬儀などの仏事には、グリーフケア(喪失悲歎ケア)の力があると言われています。
話すことも触れることもできなくなった大切な人を想って手を合わせる時、何もしてあげられないという無力感が昇華されていくのではないでしょうか。
「亡き方のために」という形を通じて、私たちに還ってくるものがあるように思えるのです。
現代、特に都市部ではお寺との付き合いが希薄になり、仏事に関する選択肢も多岐にわたり複雑に感じられます。
また、通夜や葬儀は短い時間の中で色々と決めなくてはならず、周囲に流されるままに進めてしまい納得できなかったという方もいらっしゃいます。
それぞれの人やご家庭に合う形があるのではないかと思います。
その形を一緒に考えてまいりましょう。
人が亡くなり、通夜/葬儀を終えた後の仏事を「法事」や「年忌」と呼びます。
まず、命日を1日目として7日目に「初七日法要」がありますが、これは葬儀の日に合わせてお勤めする場合がほとんどです。
同じ数え方で35日目または49日目に、「三十五日法要」または「四十九日法要」をお勤めします。このタイミングで納骨をすることが多いですが、地域によってもさまざまですし、お墓がない場合はあわてる必要はありません。
四十九日が過ぎて初めて迎えるお盆が「初盆(新盆)」となります。お盆は地域によって7月または8月にお勤めします。
また、これも地域によりますが、100日目に「百カ日法要」をお勤めする場合があります。
年忌は以下の通りです。
令和6年の年忌表(右は亡くなった年)
一周忌 令和 5年(2023)寂
三回忌 令和 4年(2022)寂
七回忌 平成30年(2018)寂
十三回忌 平成24年(2012)寂
十七回忌 平成20年(2008)寂
二十三回忌 平成14年(2002)寂
二十七回忌 平成10年(1998)寂
三十三回忌 平成 4年(1992)寂
五十回忌 昭和50年(1975)寂
なごみ庵では、これら各種の法事や年忌をお勤めさせていただいています。
どうぞお気軽にご相談ください。
人が亡くなると、待ったなしで通夜/葬儀の準備が始まります。
盛大にするのか家族だけにするのか、宗教者を呼ぶのか呼ばないのかなど、近年は家族葬や一日葬、無宗教葬なども増えています。
もし儀式をしなくてもご遺体は荼毘(火葬)に付さなければなりませんが、中には後々になって後悔したり思い悩んだりして、お寺を訪れお経をお勤めしてほしいとおっしゃる方もおられます。
私は僧侶として、盛大であってもなくても葬儀をお勤めし、亡き方をお見送りするのが良いのではないかと思っています。
通夜/葬儀・一日葬・火葬場でのお別れを主にした炉前葬・先にお骨にしてお参りする骨葬など、葬送には様々な形があります。
いずれの形であってもお勤めさせていただきます、どうぞお気軽にご相談ください。
よく尋ねられることでもあり、また答えにくいことでもあるお布施についてです。
「僧侶にお布施の額を尋ねたら、『お気持ちで』と言われて困った」
そんな話をよく耳にしますが、僧侶がそう答えるのは理由があります。
お布施は、僧侶個人に代金を払っているわけではなく、また営利企業へ料金を払っているわけでもなく、本質的には公益法人であるお寺への寄付です。
街頭などで募金箱にお金を入れた経験のある方も多いと思いますが、募金箱には「いくら入れてください」とは書いてありません。
仕組みとしてはそれと似ています。
とはいえ、お寺としても修繕費や水道光熱費など経費がかかりますし、皆さんとしても全く目安が無いと困るでしょう。
逆に私も飲食店に入る時、「全品時価」と書いてあったら困ってしまいます。
ですので、実際にどれぐらいお供えいただく方が多かったのかを、参考までに記します。
・なごみ庵での合同お彼岸/お盆法要…3千円〜3万円ほどの方が多いです
・ご自宅でのお彼岸/お盆法要…1万円〜3万円ほどの方が多いです
・法事/年忌法要…3万円〜5万円ほどの方が多いです
四十九日や一周忌・三回忌など
・炉前葬…3万円〜7万円ほどの方が多いです
火葬場での読経・法名(戒名)授与
・お骨葬…5万円〜10万円ほどの方が多いです
先に火葬をしてから、葬儀・初七日・法名(戒名)授与
・一日葬…10万円〜30万円ほどの方が多いです
葬儀・初七日・法名(戒名)授与
・通夜葬儀…15万円〜35万円ほどの方が多いです
通夜・葬儀・初七日・法名(戒名)授与
※なごみ庵では、葬儀の際の一般的な法名(戒名)授与では、別途お布施をお願いしておりません。
※ただし生前法名授与の場合は、授与式や記念品もありますのでお布施をお願いしております。
1〜3万円ほどお供えいただく方が多くなっています。
※なごみ庵以外の場所での法要は、お布施の他にお車代やお膳料をお包みくださる方もいらっしゃいます。
上記はあくまでお供えいただいたお布施であって、この額より少ないとお引き受けしないというわけではなく、またこれよりも多くお供えされる方もいらっしゃいます。
実例としては、炉前葬や法事のお供えが果物ひとつということもありましたし、逆に申しわけないほどの気持ちになるような額のお布施をお供えされた方もいらっしゃいます。
いずれにしても、お布施の額によってお勤めしたり断ったりすることはありませんし、お経が長くなったり短くなったりもしません。
尋ねにくいことだとは思いますが、どうぞ臆せずご相談ください。