僧侶と結婚した舞台女優の目には、お寺の本堂はお芝居の公演に向いているように見えました。
それもそのはず、お寺は僧侶が修行したり法要や法事をとり行うだけの場ではなく、時には僧侶が聴衆に向かって説法をする「講演会場」であったり、時には民衆の娯楽芸能の「舞台」であったからです。
お寺で、仏教に由来のあるお芝居をするので「おてらしばい」
現在4つの演目がございます。
◎観無量寿経をひも解く物語 イダイケの涙 オススメ
◎愛しき娘 みすゞ 〜いのち繋がる物語〜 オススメ
〜詩と歌と物語〜
保谷果菜子ひとり舞台
童謡詩人 金子みすゞは明治36年、山口県仙崎村(現在の長門市)に生まれ、大正末期から昭和初期に数多くの詩を生み出し、西條八十に「若き童謡詩人の巨星」とまで称賛されました。
しかし彼女は昭和5年、26歳の若さで自ら世を去ったのです。
没後その作品は散逸し、幻の童謡詩人と呼ばれましたが、矢崎節夫氏の長年の努力により遺稿集が発見され、死後50年以上を経て金子みすゞ全集が発行されました。
小さないのちに慈しみ深い視線を注ぐ詩句の数々は、時を追うごとに人々の心に広がっています。
みすゞは、どんな時にどんな詩を紡ぎ、そしてなぜ死を選ばなければならなかったのか…
お芝居を通じ、一緒に味わっていきたいと思います。
(上演時間:約60分)
よきひと、親鸞 恵信尼ものがたり
平安時代後期から鎌倉時代の僧侶 親鸞聖人は、浄土真宗の宗祖として知られています。
数え年9歳で出家、京の比叡山で修行に打ち込んだ若き日々。
師 法然上人との邂逅、妻 恵信尼との出逢い。
お念仏の日々、越後への流罪、辺境の関東での布教伝道の日々。
そして京に戻って著作に明け暮れた晩年。
平均寿命が50年に満たなかった時代に89年を生きた親鸞聖人の生涯を、妻 恵信尼さまの視点から語り演じるお芝居です。
(上演時間:約60分)
イダイケの涙
よく「何が書かれているのかわからない」と言われてしまうお経。
お経はおよそ3千種類ほどあり内容は多岐にわたりますが、浄土真宗では「大無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」の3つを「浄土三部経」として大切にしています。
そのひとつ、観無量寿経は古代インドの王舎城で起こった、王の一族とお釈迦さまが織りなすサスペンスのような物語。
そしてその愛憎に満ちた物語は、古代インドでの出来事にとどまらず、現代の私たちにも「人間の心とはどんなものなのか」を教えてくれています。
保谷果菜子がひとりで七つの役を演じます。
(上演時間:約50分)
〜いのち繋がる物語〜
童謡詩人、金子みすゞ(本名テル)はひとり娘のふさえを残し、26歳の若さで自ら世を去りました。
その娘を育てたのは、みすゞの母であるミチ。
自分の娘を失った悲しみと向き合いつつ、孫娘を慈しみ育てる祖母の視点で物語は進みます。
その眼が見つめるのは、詩人 金子みすゞなのか、それとも愛しき娘 金子テルなのか…
(上演時間:約55分)
いずれの芝居も、坊守と住職の2名で全国どこへでも出張公演いたします。
公演依頼をお待ちしています。